矯正相談ってなにをするのですか?
矯正相談は、歯並びや咬み合わせについて不安を抱えている方が、治療の必要性や進め方を確認するためのカウンセリングの場です。
現在の歯並びやかみ合わせの状態を診察し、矯正治療が適しているかどうかを判断します。
治療が必要な場合は、いつから始めるのが適切か、どのような矯正方法があるのか、治療期間や費用の目安について詳しく説明します。相談を受けたからといって、すぐに治療を開始する必要はありません。まずは矯正に関する疑問を解消し、納得したうえで治療を検討することが大切です。
矯正治療中、痛みはありますか?
矯正治療を始めたばかりの頃や装置を調整した直後には、歯が動くことによる痛みや違和感を覚えることがあります。特にワイヤーを使用する矯正では、装置を装着した後や調整後の数日間は、食事の際に歯がしみるような感覚を持つ方が多いです。しかし、これは歯が動いている証拠でもあり、数日経つと痛みは軽減します。
痛みの感じ方には個人差があり、ほとんど気にならない方もいれば、柔らかいものしか食べられないほど違和感を感じる方もいます。大切なイベントや試験を控えている場合は、装置の調整時期を考慮することをおすすめします。
矯正治療で抜歯は必要ですか?
歯を抜かずに治療を行うことを基本としていますが、歯並びの状態によってはスペースを確保するために抜歯が必要になる場合もあります。特に歯が重なっている状態(叢生)が強いケースでは、歯を並べるための十分なスペースがないため、抜歯を検討することがあります。
ただし、できる限り抜歯を避けるため、歯と歯の間をわずかに削る歯間研磨(IPR)や、奥歯を後方に動かす方法などを考慮しながら治療計画を立てます。抜歯が必要な場合は、メリット・デメリットを丁寧に説明し、患者様の同意を得た上で進めるようにしています。
マウスピース矯正はむし歯になりやすくないですか?
マウスピース矯正は、歯に装置を固定するワイヤー矯正と比べると、口腔内を清潔に保ちやすい矯正方法ですが、適切なケアを怠るとむし歯のリスクが高まります。マウスピースを装着している間は、歯が常に覆われた状態になるため、唾液が歯の表面を流れる時間が短くなります。そのため、唾液の自浄作用が十分に働かず、むし歯が発生しやすくなることがあります。
特に、マウスピースを装着したまま糖分を含む飲み物を摂取すると、むし歯のリスクが一気に高まります。そのため、食事の際は必ずマウスピースを外し、食後には歯磨きをしてから再装着することが大切です。
また、マウスピース自体も定期的に洗浄し、清潔な状態を保つことで、むし歯のリスクを軽減することができます。
1日どれくらいマウスピースを装着すればよいですか?
マウスピース矯正の効果を最大限に発揮するためには、1日20時間以上の装着が推奨されます。特に治療開始直後の3日間は、歯の動きをスムーズにするために22時間以上装着することが理想的です。
食事や歯磨きの時間を除き、常に装着することが治療を成功させる鍵となります。マウスピースを装着する時間が短くなると、計画通りに歯が動かず、治療期間が長引く原因となるため注意が必要です。食事後はすぐに歯を磨いてマウスピースを装着する習慣をつけることで、矯正効果を高めることができます。
矯正装置が壊れたり、外れたらどうすればいいですか?
矯正装置は繊細な構造を持つため、日常生活の中で壊れたり外れたりすることがあります。万が一、装置が破損したり、歯から外れてしまった場合は、できるだけ早くご連絡ください。破損した状態のまま放置すると、矯正の進行に影響を及ぼす可能性があるため、迅速な対応が必要です。緊急性が高い場合は急患対応を行い、必要に応じて修正や再装着を行います。ただし、破損の程度によっては、次回の予約日に調整することもありますので、状況を確認したうえで適切な処置を行います。自宅で無理に装置を戻そうとせず、まずは当院までご相談ください。
通院のペースはどれぐらいですか?
矯正治療の進行状況に応じて、通院の頻度は異なります。基本的に、1期治療(成長期の矯正)の場合は約2か月に1回、2期治療(永久歯が生えそろってからの矯正)の場合は1か月に1回のペースでご来院いただきます。定期的な通院は治療の成功に欠かせない要素の一つです。装置の調整や歯の移動状況の確認を行うため、予約日には忘れずにお越しください。適切な間隔で通院することで、治療を計画通りに進めることができ、期間の短縮にもつながります。
小児矯正治療は、痛みはありますか?
小児矯正では、取り外し可能な装置や、歯列の内側に沿わせる固定式の装置を使用するため、痛みや違和感を最小限に抑えることができます。
装置を装着した直後や調整を行った直後には、歯に軽い圧力がかかるため、一時的に違和感を覚えることがありますが、通常は数日で慣れることがほとんどです。
成人矯正に年齢制限はあるの?
矯正治療は年齢を問わず受けることができ、お子様から成人の方まで幅広く対応しています。
特に近年は、40代・50代の方が矯正を始めるケースも増えており、年齢制限はありません。ただし、歯を移動させるためには、歯を支える骨や歯茎が健康であることが重要です。歯周病や骨の減少が進行している場合は、治療の前に適切なケアを行う必要があります。
そのため、矯正を検討されている方は、一度歯科医院で歯や歯茎の状態を確認することをおすすめします。
小児矯正はいつから行えますか?
子どもの歯並びが悪くなる主な原因は、顎の成長不足やスペース不足によるものです。特に、顎の大きさに対して永久歯のサイズが大きいと、歯が並ぶスペースが足りず、ガタガタの歯並びになりやすくなります。小児矯正には、大きく分けて二つの方法があります。一つは、顎の成長を促して歯がきれいに並ぶスペースを確保する方法で、もう一つは、顎の大きさに合わせて歯を抜き、歯列を整える方法です。
子どもの顎は、4歳から8歳頃にかけて急成長し、10歳頃には上顎の成長の約80〜90%が完了します。この成長期に合わせて矯正を行うことで、抜歯をせずに歯が正しく並ぶスペースを確保しやすくなります。
また、歯並びの改善だけでなく、口呼吸や舌の位置の癖、正しい飲み込み方、姿勢の改善にもつながるため、全身の健康にも良い影響を与えることが期待できます。
一般的に、7歳までに歯並びやかみ合わせのチェックを受けることが推奨されていますが、矯正が必要かどうかはお子様の成長状態や歯の生え方によって異なります。歯並びが気になる場合は、早めに歯科医院で診察を受け、適切な治療開始時期を相談することが大切です。